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`EX 1007
`EX 1007
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`JP 2016-80284 A 2016.5.16
`
`(57)【要約】
`【課題】真空乾燥を最適な状態で完了させる。
`【解決手段】真空乾燥装置1は、乾燥炉11、圧力測定
`部12、判定部13、真空乾燥制御部14、および判断
`部15を備え、乾燥炉11内に配置された電池電極を真
`空乾燥させる。圧力測定部12は、乾燥炉11内の圧力
`を測定する。判定部13は、圧力測定部12により測定
`された圧力が目標圧力以下になったか否かを判定する。
`真空乾燥制御部14は、圧力測定部12により測定され
`た圧力が目標圧力以下になったと判定部13により判定
`された後に、第1の時間に亘って真空乾燥を継続させる
`。判断部15は、第1の時間が経過した後に圧力測定部
`12により測定された圧力が目標圧力以下であると判定
`部13により判定されると、電池電極の真空乾燥が完了
`したと判断する。
`【選択図】図1
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`(2)
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`【特許請求の範囲】
`【請求項1】
` 乾燥炉内に配置された被乾燥物を真空乾燥させる真空乾燥装置であって、
` 前記乾燥炉内の圧力を測定する圧力測定手段と、
` 前記圧力測定手段により測定された圧力が予め定められた目標圧力以下または当該目標
`圧力未満まで低下したか否かを判定する判定手段と、
` 前記圧力測定手段により測定された圧力が前記目標圧力以下または当該目標圧力未満ま
`で低下したと前記判定手段により判定された後に、予め定められた第1の時間に亘って真
`空乾燥を継続させる真空乾燥制御手段と、
` 前記第1の時間が経過した後に前記圧力測定手段により測定された圧力が、前記目標圧
`力以下または当該目標圧力未満まで低下したと前記判定手段により判定されると、前記被
`乾燥物の真空乾燥が完了したと判断する判断手段と、
` を備えることを特徴とする真空乾燥装置。
`【請求項2】
` 前記被乾燥物の真空乾燥を開始してからの時間を測定する計時手段を備え、
` 前記計時手段により測定された時間が予め定められた第2の時間を経過するまでの期間
`では、前記判定手段による判定を休止することを特徴とする請求項1に記載の真空乾燥装
`置。
`【請求項3】
` 真空乾燥の完了後に前記被乾燥物が配置される環境のことを所定環境とすると、当該所
`定環境における露点での飽和水蒸気圧より低い圧力を前記目標圧力として設定することを
`特徴とする請求項1または2に記載の真空乾燥装置。
`【請求項4】
` 前記所定環境における露点(摂氏)をtとするとともに、予め定められた定数をa、b
`とすると、前記所定環境における露点での飽和水蒸気圧eを以下の数式(1)で求めるこ
`とを特徴とする請求項3に記載の真空乾燥装置。
`【数1】
`
`【請求項5】
` 前記所定環境における露点での飽和水蒸気圧よりどれだけ低い圧力に前記目標圧力を設
`定するのかを、前記被乾燥物の材質に応じて決定することを特徴とする請求項3または4
`に記載の真空乾燥装置。
`【請求項6】
` 前記判定手段は、前記圧力測定手段により測定された圧力に基づいて、前記真空乾燥装
`置の異常検出を行い、当該異常があると判定した場合には、異常を指示する出力を行うこ
`とを特徴とする請求項1から5のいずれか1つに記載の真空乾燥装置。
`【請求項7】
` 前記被乾燥物は、電池電極であることを特徴とする請求項1から6のいずれか1つに記
`載の真空乾燥装置。
`【請求項8】
` 請求項1から7のいずれか1つに記載の真空乾燥装置と、当該真空乾燥装置による真空
`乾燥の完了後に前記被乾燥物が配置されるドライルームと、を備える真空乾燥システムで
`あって、
` 前記判断手段により前記被乾燥物の真空乾燥が完了したと判断された後に、当該被乾燥
`物を前記乾燥炉から前記ドライルームに移送することを特徴とする真空乾燥システム。
`【請求項9】
` 乾燥炉内に配置された被乾燥物を真空乾燥させる真空乾燥方法であって、
` 前記乾燥炉内の圧力を測定する第1のステップと、
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`(3)
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` 前記第1のステップにより測定された圧力が予め定められた目標圧力以下または当該目
`標圧力未満まで低下したか否かを判定する第2のステップと、
` 前記第1のステップにより測定された圧力が前記目標圧力以下または当該目標圧力未満
`まで低下したと前記第2のステップで判定された後に、予め定められた第1の時間に亘っ
`て真空乾燥を継続させる第3のステップと、
` 前記第1の時間が経過した後に、前記乾燥炉内の圧力を測定する第4のステップと、
` 前記第4のステップにより測定された圧力が前記目標圧力以下または当該目標圧力未満
`まで低下したか否かを判定する第5のステップと、
` 前記第4のステップにより測定された圧力が前記目標圧力以下または当該目標圧力未満
`まで低下したと前記第5のステップで判定されると、前記被乾燥物の真空乾燥が完了した
`と判断する第6のステップと、
` 前記第6のステップにより真空乾燥が完了したと判断された被乾燥物を、所定環境に調
`整された領域に前記乾燥炉から移送する第7のステップと、
` を備えることを特徴とする真空乾燥方法。
`【請求項10】
` 前記被乾燥物の真空乾燥を開始してからの時間を測定する第8のステップをさらに備え
`
`、
`
`前記第8のステップにより測定された時間が予め定められた第2の時間を経過するまで
`の期間では、前記第2のステップによる判定を休止することを特徴とする請求項9に記載
`の真空乾燥方法。
`【請求項11】
` 前記所定環境における露点での飽和水蒸気圧より低い圧力を前記目標圧力として設定す
`ることを特徴とする請求項9または10に記載の真空乾燥方法。
`【請求項12】
` 前記所定環境における露点(摂氏)をtとするとともに、予め定められた定数をa、b
`とすると、前記所定環境における露点での飽和水蒸気圧eを以下の数式(2)で求めるこ
`とを特徴とする請求項11に記載の真空乾燥方法。
`【数2】
`
`【請求項13】
` 前記所定環境における露点での飽和水蒸気圧よりどれだけ低い圧力に前記目標圧力を設
`定するのかを、前記被乾燥物の材質に応じて決定することを特徴とする請求項11または
`12に記載の真空乾燥方法。
`【請求項14】
` 前記第2のステップにおいて、前記第1のステップにより測定された圧力に基づいて、
`前記被乾燥物を真空乾燥させる真空乾燥装置の異常検出を行うことを特徴とする請求項9
`から13のいずれか1つに記載の真空乾燥方法。
`【請求項15】
` 前記被乾燥物は、電池電極であることを特徴とする請求項9から14のいずれか1つに
`記載の真空乾燥方法。
`【請求項16】
` 乾燥炉内に配置された電池電極を真空乾燥させる電池電極の製造方法であって、
` 前記乾燥炉内の圧力を測定する第1のステップと、
` 前記第1のステップにより測定された圧力が予め定められた目標圧力以下または当該目
`標圧力未満まで低下したか否かを判定する第2のステップと、
` 前記第1のステップにより測定された圧力が前記目標圧力以下または当該目標圧力未満
`まで低下したと前記第2のステップで判定された後に、予め定められた第1の時間に亘っ
`て真空乾燥を継続させる第3のステップと、
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`(4)
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`
` 前記第1の時間が経過した後に、前記乾燥炉内の圧力を測定する第4のステップと、
` 前記第4のステップにより測定された圧力が前記目標圧力以下または当該目標圧力未満
`まで低下したか否かを判定する第5のステップと、
` 前記第4のステップにより測定された圧力が前記目標圧力以下または当該目標圧力未満
`まで低下したと前記第5のステップで判定されると、前記電池電極の真空乾燥が完了した
`と判断する第6のステップと、
` 前記第6のステップにより真空乾燥が完了したと判断された電池電極を、所定環境に調
`整された領域に前記乾燥炉から移送する第7のステップと、
` を備えることを特徴とする電池電極の製造方法。
`【発明の詳細な説明】
`【技術分野】
`【0001】
` 本発明は、真空乾燥装置、真空乾燥システム、真空乾燥方法、および電池電極の製造方
`法に関する。
`【背景技術】
`【0002】
` 従来、被乾燥物を真空乾燥させる技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
`【先行技術文献】
`【特許文献】
`【0003】
`【特許文献1】特開2005−140536号公報
`【発明の概要】
`【発明が解決しようとする課題】
`【0004】
` 特許文献1に示されている方法や、特許文献1に記載の文献に示されている方法は、真
`空乾燥の終了を精度よく判定して、過乾燥および乾燥不足の発生を抑制することを目的と
`している。このように、真空乾燥を最適な状態で終了させるという課題は従来からあるも
`のの、現在においても様々な改良がなされており、真空乾燥の完了を判定する技術として
`は、満足するものがなかった。特に、リチウムイオン電池といった二次電池の電極を乾燥
`させる場合には、電極を十分に乾燥できていないと、その電極を用いて製造される電池が
`、電池としての所望の性能を発揮できないおそれがあった。
`【0005】
` そこで、本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、真空乾燥を最適な状態で
`完了させることを目的とする。
`【課題を解決するための手段】
`【0006】
` 本発明は、上述の課題を解決するために、以下の事項を提案している。なお、理解を容
`易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定され
`るものではない。
`【0007】
` (1) 本発明は、乾燥炉(例えば、図1の乾燥炉11に相当)内に配置された被乾燥
`物(例えば、後述の電池電極に相当)を真空乾燥させる真空乾燥装置(例えば、図1の真
`空乾燥装置1に相当)であって、前記乾燥炉内の圧力を測定する圧力測定手段(例えば、
`図1の圧力測定部12に相当)と、前記圧力測定手段により測定された圧力が予め定めら
`れた目標圧力以下または当該目標圧力未満まで低下したか否かを判定する判定手段(例え
`ば、図1の判定部13に相当)と、前記圧力測定手段により測定された圧力が前記目標圧
`力以下または当該目標圧力未満まで低下したと前記判定手段により判定された後に、予め
`定められた第1の時間に亘って真空乾燥を継続させる真空乾燥制御手段(例えば、図1の
`真空乾燥制御部14に相当)と、前記第1の時間が経過した後に前記圧力測定手段により
`測定された圧力が、前記目標圧力以下または当該目標圧力未満まで低下したと前記判定手
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`(5)
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`段により判定されると、前記被乾燥物の真空乾燥が完了したと判断する判断手段(例えば
`、図1の判断部15に相当)と、を備えることを特徴とする真空乾燥装置を提案している
`
`。 【
`
`0008】
` この発明によれば、圧力測定手段により、乾燥炉内の圧力を測定することとした。また
`、判定手段により、圧力測定手段により測定された圧力が目標圧力以下または目標圧力未
`満まで低下したか否かを判定することとした。また、真空乾燥制御手段により、圧力測定
`手段により測定された圧力が目標圧力以下または目標圧力未満まで低下したと判定手段に
`より判定された場合に、第1の時間に亘って真空乾燥を継続させることとした。このため
`、乾燥炉内の圧力が目標圧力以下または目標圧力未満まで低下したと判定された後も、第
`1の時間に亘って真空乾燥が継続されるので、目標圧力の設定精度に大きく左右されるこ
`となく、乾燥不足の発生を抑制することができる。
`【0009】
` また、この発明によれば、第1の時間を設定することで、真空乾燥を行っている時間が
`過度に長期化してしまうのを防止して、過乾燥の発生を抑制することができる。
`【0010】
` また、この発明によれば、判断手段により、第1の時間が経過した後に圧力測定手段に
`より測定された圧力が、目標圧力以下または目標圧力未満まで低下したと判定手段により
`判定されると、被乾燥物の真空乾燥が完了したと判断することとした。このため、第1の
`時間に亘って真空乾燥が継続されている期間において、不測の事態により乾燥不足の状態
`に被乾燥物がなってしまった際には、被乾燥物の真空乾燥が完了していないと判断するこ
`とができ、乾燥不足であるにもかかわらず真空乾燥が完了したと誤って判断してしまうの
`を防止することができる。
`【0011】
` (2) 本発明は、(1)の真空乾燥装置について、前記被乾燥物の真空乾燥を開始し
`てからの時間を測定する計時手段(例えば、図3の計時部16に相当)を備え、前記計時
`手段により測定された時間が予め定められた第2の時間を経過するまでの期間では、前記
`判定手段による判定を休止することを特徴とする真空乾燥装置を提案している。
`【0012】
` この発明によれば、(1)の真空乾燥装置において、計時手段により、被乾燥物の真空
`乾燥を開始してからの時間を測定し、計時手段により測定された時間が第2の時間を経過
`するまでの期間では、判定手段による判定を休止することとした。このため、第2の時間
`を設定することで、被乾燥物の真空乾燥が完了していないことが確実に分かっている期間
`では、判定手段による判定を休止することができる。
`【0013】
` (3) 本発明は、(1)または(2)の真空乾燥装置について、真空乾燥の完了後に
`前記被乾燥物が配置される環境のことを所定環境(例えば、図1のドライルーム2に相当
`)とすると、当該所定環境における露点での飽和水蒸気圧より低い圧力を前記目標圧力と
`して設定することを特徴とする真空乾燥装置を提案している。
`【0014】
` この発明によれば、(1)または(2)の真空乾燥装置において、真空乾燥の完了後に
`被乾燥物が配置される環境のことを所定環境とすると、所定環境における露点での飽和水
`蒸気圧より低い圧力を目標圧力として設定することとした。このため、真空乾燥の完了の
`判断基準となる目標圧力の設定精度を向上させることができるので、乾燥不足の発生をよ
`り確実に抑制することができるとともに、真空乾燥を継続させる第1の時間を短縮するこ
`とができる。
`【0015】
` また、目標圧力を適宜設定する手順と、真空乾燥完了後の被乾燥物に含まれる水分量を
`測定したり被乾燥物の性能を評価したりする手順と、を繰り返すことによって、目標圧力
`の最適値を見つけることが考えられる。そこで、この発明によれば、(1)または(2)
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`の真空乾燥装置において、所定環境における露点での飽和水蒸気圧より低い圧力を目標圧
`力として設定することとした。このため、目標圧力の最適値を見つける際に、所定環境に
`おける露点での飽和水蒸気圧を目安として目標圧力の初期値を設定することができる。し
`たがって、目安がない状態で目標圧力の初期値を設定する場合と比べて適切な値を、目標
`圧力の初期値として設定することができるので、上述の2つの手順を繰り返す回数を減少
`させることができ、目標圧力の最適値を短時間に見つけることができる。
`【0016】
` (4) 本発明は、(3)の真空乾燥装置について、前記所定環境における露点(摂氏
`)をtとするとともに、予め定められた定数をa、bとすると、前記所定環境における露
`点での飽和水蒸気圧eを以下の数式(1)で求めることを特徴とする真空乾燥装置を提案
`している。
`【0017】
`【数1】
`
`【0018】
` この発明によれば、(3)の真空乾燥装置において、tetensの式として知られて
`いる上述の数式(1)により、所定環境における露点での飽和水蒸気圧を、複雑な方法を
`用いることなく求めることができる。
`【0019】
` (5) 本発明は、(3)または(4)の真空乾燥装置について、前記所定環境におけ
`る露点での飽和水蒸気圧よりどれだけ低い圧力に前記目標圧力を設定するのかを、前記被
`乾燥物の材質に応じて決定することを特徴とする真空乾燥装置を提案している。
`【0020】
` 真空乾燥の完了後の被乾燥物は、所定環境に配置されている期間に、被乾燥物の材質に
`応じて吸湿する。そこで、この発明によれば、(3)または(4)の真空乾燥装置におい
`て、所定環境における露点での飽和水蒸気圧よりどれだけ低い圧力に目標圧力を設定する
`のかを、被乾燥物の材質に応じて決定することとした。このため、所定環境における被乾
`燥物の吸湿性に応じて、目標圧力を設定することができる。
`【0021】
` (6) 本発明は、(1)から(5)のいずれか1つの真空乾燥装置について、前記判
`定手段は、前記圧力測定手段により測定された圧力に基づいて、前記真空乾燥装置の異常
`検出を行い、当該異常があると判定した場合には、異常を指示する出力を行うことを特徴
`とする真空乾燥装置を提案している。
`【0022】
` この発明によれば、(1)から(5)のいずれか1つの真空乾燥装置において、判定手
`段により、圧力測定手段により測定された圧力に基づいて、真空乾燥装置の異常検出を行
`い、異常であると判定した場合には、異常を指示する出力を行うこととした。このため、
`真空乾燥の完了を判定しつつ、真空乾燥装置の異常を検出して出力することができる。
`【0023】
` (7) 本発明は、(1)から(6)のいずれか1つの真空乾燥装置について、前記被
`乾燥物は、電池電極であることを特徴とする真空乾燥装置を提案している。
`【0024】
` この発明によれば、(1)から(6)のいずれか1つの真空乾燥装置において、被乾燥
`物は、電池電極であることとした。このため、電池電極の乾燥不足の発生を抑制すること
`ができる。
`【0025】
` (8) 本発明は、(1)から(7)のいずれか1つの真空乾燥装置と、当該真空乾燥
`装置による真空乾燥の完了後に前記被乾燥物が配置されるドライルーム(例えば、図1の
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`(7)
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`ドライルーム2に相当)と、を備える真空乾燥システム(例えば、図1の真空乾燥システ
`ムAAに相当)であって、前記判断手段により前記被乾燥物の真空乾燥が完了したと判断
`された後に、当該被乾燥物を前記乾燥炉から前記ドライルームに移送することを特徴とす
`る真空乾燥システムを提案している。
`【0026】
` この発明によれば、(1)から(7)のいずれか1つの真空乾燥装置と、この真空乾燥
`装置による真空乾燥の完了後に被乾燥物が配置されるドライルームと、を備える真空乾燥
`システムにおいて、判断手段により被乾燥物の真空乾燥が完了したと判断された後に、こ
`の被乾燥物を乾燥炉からドライルームに移送することとした。このため、乾燥炉からドラ
`イルームに被乾燥物を移送した後に、真空乾燥装置により、新たな被乾燥物に対する真空
`乾燥を行うことができる。
`【0027】
` (9) 本発明は、乾燥炉(例えば、図1の乾燥炉11に相当)内に配置された被乾燥
`物(例えば、後述の電池電極に相当)を真空乾燥させる真空乾燥方法であって、前記乾燥
`炉内の圧力を測定する第1のステップと、前記第1のステップにより測定された圧力が予
`め定められた目標圧力以下または当該目標圧力未満まで低下したか否かを判定する第2の
`ステップと、前記第1のステップにより測定された圧力が前記目標圧力以下または当該目
`標圧力未満まで低下したと前記第2のステップで判定された後に、予め定められた第1の
`時間に亘って真空乾燥を継続させる第3のステップと、前記第1の時間が経過した後に、
`前記乾燥炉内の圧力を測定する第4のステップと、前記第4のステップにより測定された
`圧力が前記目標圧力以下または当該目標圧力未満まで低下したか否かを判定する第5のス
`テップと、前記第4のステップにより測定された圧力が前記目標圧力以下または当該目標
`圧力未満まで低下したと前記第5のステップで判定されると、前記被乾燥物の真空乾燥が
`完了したと判断する第6のステップと、前記第6のステップにより真空乾燥が完了したと
`判断された被乾燥物を、所定環境に調整された領域(例えば、図1のドライルーム2に相
`当)に前記乾燥炉から移送する第7のステップと、を備えることを特徴とする真空乾燥方
`法を提案している。
`【0028】
` この発明によれば、上述した効果と同様の効果を奏することができる。
`【0029】
` (10) 本発明は、(9)の真空乾燥方法について、前記被乾燥物の真空乾燥を開始
`してからの時間を測定する第8のステップをさらに備え、前記第8のステップにより測定
`された時間が予め定められた第2の時間を経過するまでの期間では、前記第2のステップ
`による判定を休止することを特徴とする真空乾燥方法を提案している。
`【0030】
` この発明によれば、上述した効果と同様の効果を奏することができる。
`【0031】
` (11) 本発明は、(9)または(10)の真空乾燥方法について、前記所定環境に
`おける露点での飽和水蒸気圧より低い圧力を前記目標圧力として設定することを特徴とす
`る真空乾燥方法を提案している。
`【0032】
` この発明によれば、上述した効果と同様の効果を奏することができる。
`【0033】
` (12) 本発明は、(11)の真空乾燥方法について、前記所定環境における露点(
`摂氏)をtとするとともに、予め定められた定数をa、bとすると、前記所定環境におけ
`る露点での飽和水蒸気圧eを以下の数式(2)で求めることを特徴とする真空乾燥方法を
`提案している。
`【0034】
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`【数2】
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`
`【0035】
` この発明によれば、上述した効果と同様の効果を奏することができる。
`【0036】
` (13) 本発明は、(11)または(12)の真空乾燥方法について、前記所定環境
`における露点での飽和水蒸気圧よりどれだけ低い圧力に前記目標圧力を設定するのかを、
`前記被乾燥物の材質に応じて決定することを特徴とする真空乾燥方法を提案している。
`【0037】
` この発明によれば、上述した効果と同様の効果を奏することができる。
`【0038】
` (14) 本発明は、(9)から(13)のいずれか1つの真空乾燥方法について、前
`記第2のステップにおいて、前記第1のステップにより測定された圧力に基づいて、前記
`被乾燥物を真空乾燥させる真空乾燥装置の異常検出を行うことを特徴とする真空乾燥方法
`を提案している。
`【0039】
` この発明によれば、上述した効果と同様の効果を奏することができる。
`【0040】
` (15) 本発明は、(9)から(14)のいずれか1つの真空乾燥方法について、前
`記被乾燥物は、電池電極であることを特徴とする真空乾燥方法を提案している。
`【0041】
` この発明によれば、上述した効果と同様の効果を奏することができる。
`【0042】
` (16) 本発明は、乾燥炉(例えば、図1の乾燥炉11に相当)内に配置された電池
`電極を真空乾燥させる電池電極の製造方法であって、前記乾燥炉内の圧力を測定する第1
`のステップと、前記第1のステップにより測定された圧力が予め定められた目標圧力以下
`または当該目標圧力未満まで低下したか否かを判定する第2のステップと、前記第1のス
`テップにより測定された圧力が前記目標圧力以下または当該目標圧力未満まで低下したと
`前記第2のステップで判定された後に、予め定められた第1の時間に亘って真空乾燥を継
`続させる第3のステップと、前記第1の時間が経過した後に、前記乾燥炉内の圧力を測定
`する第4のステップと、前記第4のステップにより測定された圧力が前記目標圧力以下ま
`たは当該目標圧力未満まで低下したか否かを判定する第5のステップと、前記第4のステ
`ップにより測定された圧力が前記目標圧力以下または当該目標圧力未満まで低下したと前
`記第5のステップで判定されると、前記電池電極の真空乾燥が完了したと判断する第6の
`ステップと、前記第6のステップにより真空乾燥が完了したと判断された電池電極を、所
`定環境に調整された領域(例えば、図1のドライルーム2に相当)に前記乾燥炉から移送
`する第7のステップと、を備えることを特徴とする電池電極の製造方法を提案している。
`【0043】
` この発明によれば、電池電極を製造する際に、上述した効果と同様の効果を奏すること
`ができる。
`【発明の効果】
`【0044】
` 本発明によれば、真空乾燥を最適な状態で完了させることができる。
`【図面の簡単な説明】
`【0045】
`【図1】本発明の第1実施形態に係る真空乾燥装置のブロック図である。
`【図2】温度および圧力に応じて変化する水の状態を示す図である。
`【図3】本発明の第2実施形態に係る真空乾燥装置のブロック図である。
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`【発明を実施するための形態】
`【0046】
` 以下、本発明の実施形態について、図面を用いて、詳細に説明する。なお、以下の実施
`形態における構成要素は適宜、既存の構成要素などとの置き換えが可能であり、また、他
`の既存の構成要素との組み合わせを含む様々なバリエーションが可能である。したがって
`、以下の実施形態の記載をもって、特許請求の範囲に記載された発明の内容を限定するも
`のではない。
`【0047】
`<第1実施形態>
` 図1は、本発明の第1実施形態に係る真空乾燥システムAAのブロック図である。真空
`乾燥システムAAは、電池電極を真空乾燥させる真空乾燥装置1と、真空乾燥装置1によ
`る真空乾燥の完了後に電池電極が配置されるドライルーム2と、を備える。
`【0048】
` 真空乾燥装置1は、乾燥炉11、圧力測定部12、判定部13、真空乾燥制御部14、
`および判断部15を備え、乾燥炉11内に配置された電池電極を真空乾燥させて、電池電
`極に含まれる水分を除去する。
`【0049】
` 圧力測定部12は、乾燥炉11の内部の圧力を測定する。
`【0050】
` 判定部13は、圧力測定部12により測定された圧力が予め定められた目標圧力以下に
`なったか否かを判定する。上述の目標圧力の設定について、図2を用いて以下に詳述する
`
`。 【
`
`0051】
` 図2に示すように、水は、温度および圧力に応じて状態が変化する。そこで、まず、真
`空乾燥の完了後に電池電極が配置されるドライルーム2における露点(摂氏)を以下の数
`式(3)のtに代入して、ドライルーム2における露点での飽和水蒸気圧eを求める。な
`お、数式(3)において、aおよびbは、予め定められた定数であり、これら定数a、b
`は、電池電極に含まれる水分が水である場合と氷である場合とでそれぞれ一意に定まる。
`【0052】
`【数3】
`
`【0053】
` なお、ドライルーム2では、移送された電池電極に水分が付着しないようにするため、
`ドライルーム2の露点に基づく閾値の設定が行われ、所望の露点を維持するように空調に
`よる環境調整が行われる。上述の数式(3)によれば、上述の閾値のベースとなる圧力が
`決まる。
`【0054】
` 次に、ドライルーム2における露点での飽和水蒸気圧eより低い圧力を、上述の目標圧
`力として設定する。
`【0055】
` ここで、まず、仮に、上述の目標圧力として、ドライルーム2における露点での飽和水
`蒸気圧eより高い圧力を設定した場合と、ドライルーム2における露点での飽和水蒸気圧
`eを設定した場合と、について以下に検討する。これらの場合、乾燥炉11内の圧力がド
`ライルーム2における露点での飽和水蒸気圧e以上である状態で、電池電極の真空乾燥が
`完了したと判定されることなり、乾燥不足となってしまう。
`【0056】
` 次に、仮に、ドライルーム2における露点での飽和水蒸気圧eよりも過度に低い圧力を
`、上述の目標圧力として設定した場合について、以下に検討する。この場合、過乾燥とな
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`り、電池電極に含まれる水分は、目標圧力を適切に設定した場合と比べて少なくなる。し
`かし、真空乾燥の完了後にこの電池電極をドライルーム2に配置すると、ドライルーム2
`における飽和水蒸気圧で平衡する量の水分を電池電極が含んでいる状態になるまで、電池
`電極が吸湿してしまう。このため、ドライルーム2における露点での飽和水蒸気圧eより
`も過度に低い圧力を目標圧力とした場合、ドライルーム2における露点での飽和水蒸気圧
`より低い適切な圧力を目標圧力とした場合と比べて、真空乾燥の処理に無駄が生じること
`になってしまう。
`【0057】
` ただし、電池電極の吸湿性は、電池電極の材質に応じて異なる。このため、ドライルー
`ム2における露点での飽和水蒸気圧eに対してどれだけ低い圧力を、上述の目標圧力とし
`て設定するのかは、電池電極の材質に応じて定めることが好ましい。
`【0058】
` 図1に戻って、真空乾燥制御部14は、圧力測定部12により測定された圧力が上述の
`目標圧力以下になったと判定部13により判定された後に、予め定められた第1の時間に
`亘って真空乾燥を継続させる。なお、第1の時間は、予め定められた固定値であってもよ
`いし、適宜定められる可変値であってもよい。
`【0059】
` まず、第1の時間を固定値とする場合について、以下に説明する。例えば、目標圧力の
`設定精度が予め定められた精度以上である場合や、電池電極の乾燥しやすさの度合いが予
`め定められた度合い以上である場合には、第1の時間を短く設定し、目標圧力の設定精度
`が予め定められた精度よりも低い場合や、電池電極の乾燥しやすさの度合いが予め定めら
`れた度合い未満である場合には、第1の時間を長く設定することとしてもよい。また、例
`えば、目標圧力の設定精度が高くなるに従って、第1の時間を短く設定してもよい。また
`、例えば、電池電極の乾燥しやすさの度合いが高くなるに従って、第1の時間を短く設定
`してもよい。
`【0060】
` 次に、第1の時間を可変値とする場合について、以下に説明する。例えば、真空乾燥を
`開始してから圧力測定部12により測定された圧力が目標圧力以下になったと判定部13
`で判定されるまでの時間が予め定められた時間以上である場合には、乾燥不足となるのを
`避けるために、第1の時間を長く設定し、真空乾燥を開始してから圧力測定部12により
`測定された圧力が目標圧力以下になったと判定部13で判定されるまでの時間が予め定め
`られた時間未満である場合には、過乾燥となるのを避けるために、第1の時間を短く設定
`してもよい。また、例えば、真空乾燥を開始してから圧力測定部12により測定された圧
`力が目標圧力以下になったと判定部13で判定されるまでの時間が長くなるに従って、上
`述の第1の時間を長く設定してもよい。
`【0061】
` 判断部15は、第1の時間が経過した後に圧力測定部12により測定された圧力が、上
`述の目標圧力以下であると判定部13により判定されると、電池電極の真空乾燥が完了し
`たと判断する。判断部15により真空乾燥が完了したと判断されると、真空乾燥装置1は
`、乾燥炉11内に配置されている電池電極に対する真空乾燥を終了し、乾燥炉11からド
`ライルーム2に電池電極を移送する。
`【0062】
` 以上の真空乾燥システムAAや真空乾燥装置1によれば、以下の効果を奏することがで
`きる。
`【0063】
` 真空乾燥システムAAは、判断部15により電池電極の真空乾燥が完了したと判断され
`た後に、この電池電極を乾燥炉11からドライルーム2に移送する。このため、乾燥炉1
`1からドライルーム2に電池電極を移送した後に、真空乾燥装置1により、新たな電池電
`極に対する真空乾燥を行うことができる。
`【0064】
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` 真空乾燥装置1は、圧力測定部12により、乾燥炉11内の圧力を測定するとともに、
`判定部13により、圧力測定部12により測定された圧力が目標圧力以下になったか否か
`を判定し、真空乾燥制御部14により、圧力測定部12により測定された圧力が目標圧力
`以下になったと判定部13により判定された場合に、第1の時間に亘って真空乾燥を継続
`させる。このため、乾燥炉11内の圧力が目標圧力以下になったと判定された後も、第1
`の時間に亘って真空乾燥が継続されるので、目標圧力の設定精度に大きく左右されること
`なく、乾燥不足の発生を抑制することができる。
`【0065】
` また、真空乾燥装置1は、第1の時間を設定することで、真空乾燥を行っている時間が
`過度に長期化してしまうのを防止して、過乾燥の発生を抑制することができる。
`【0066】
` また、真空乾燥装置1は、判断部15により、第1の時間が経過した後に圧力測定部1
`2により測定された圧力が、目標圧力以下であると判定部13により判定されると、電池
`電極の真空乾燥が完了したと判断する。このため、第1の時間に亘って真空乾燥が継続さ
`れている期間において、不測の事態により乾燥不足の状態に電池電極がなってしまった際
`には、電池電極の真空乾燥が完了していないと判断することができ、乾燥不足であるにも
`かかわらず真空乾燥が完了したと誤って判断してしまうのを防止することができる。
`【0067】
` また、真空乾燥装置1は、判定部13により、ドライルーム2における露点での飽和水
`蒸気圧より低い圧力を目標圧力として設定する。このため、真空乾燥の完了の判断基準と
`なる目標圧力の設定精度を向上させることができるので、乾燥不足の発生をより確実に抑
`制することができるとともに、真空乾燥を継続させる第1の時間を短縮することができる
`
`。 【
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`0068】
` また、目標圧力を適宜設定する手順と、真空乾燥完了後の被乾燥物に含まれる水分量を
`測定したり被乾燥物の性能を評価したりする手順と、を繰り返すことによって、目標圧力
`の最適値を見つけることが考えられる。そこで、真空乾燥装置1は、ドライルーム2にお
`ける露点での飽和水蒸気圧より低い圧力を目標圧力として設定する。このため、目標圧力
`の最適値を見つける際に、ドライルーム2における露点での飽和水蒸気圧を目安として目
`標圧力の初期値を設定することができる。したがって、目安がない状態で目標圧力の初期
`値を設定する場合と比べて適切な値を、目標圧力の初期値として設定することができるの
`で、上述の2つの手順を繰り返す回数を減少させることができ、目標圧力の最適値を短時
`間で見つけることができる。
`【0069】
` また、真空乾燥装置1は、上述の数式(1)により、ドライルーム2における露点での
`飽和水蒸気圧を、複雑な方法を用いることなく求めることができる。
`【0070】
` また、真空乾燥装置1は、ドライルーム2における露点での飽和水蒸気圧よりどれだけ
`低い圧力に目標圧力を設定するのかを、電池電極の材質に応じて決定する。このため、ド
`ライルーム2における電池電極の吸湿性に応じて、目標圧力を設定することができる。
`【0071】
` なお、リチウムイオン電池のような二次電池の電極は、金属箔(アルミや銅)上に電極
`活物質層を有する構成となっており、その製造工程において、金属箔上に電極活物質スラ
`リーを塗布した後に真空乾燥処理を施すことで、電極から水分が除去される。電極が充分
`に乾燥していないと、二次電池として所望の性能を実現することができないため、充分な
`乾燥を確実に行う必要がある。このため、二次電池の電極を真空乾燥させる際に、真空乾
`燥装置1は好適である。
`【0072】
` また、上述の電極活物質には、吸湿性の高い材料が用いられることがある。このため、
`二次電池の電極を真空乾燥させる際に、真空乾燥の完了後に電池電極をドライルーム2に
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`配置する真空乾燥システムAAは好適である。
`【0073】
`<第2実施形態>
` 図3は、本発明の第2実施形態に係る真空乾燥システムBBのブロック図である。真空
`乾燥システムBBは、図1に示した本発明の第1実施形態に係る真空乾燥システムAAと
`は、真空乾燥装置1の代わりに真空乾燥装置1Aを備える点で異なる。なお、真空乾燥シ
`ステムBBにおいて、真空乾燥システムAAと同一構成要件については、同一符号を付し
`、その説明を省略する。
`【0074】
` 真空乾燥装置1Aは、乾燥炉11、圧力測定部12、判定部13A、真空乾燥制御部1
`4、判断部15、および計時部16を備え、乾燥炉11内に配置された電池電極を真空乾
`燥させて、電池電極に含まれる水分を除去する。
`【0075】
` 計時部16は、電池電極の真空乾燥を開始してからの時間を測定する。
`【0076】
` 判定部13Aは、判定部13と同様に、圧力測定部12により測定された圧力が予め定
`められた目標圧力以下になったか否かを判定する。ただし、計時部16により測定された
`時間が予め定められた第2の時間を経過するまでの期間では、判定部13Aは、圧力測定
`部12により測定された圧力が予め定められた目標圧力以下になったか否かの判定を休止
`する。このため、判定部13Aによる上述の判定は、電池電極の真空乾燥を開始してから
`第2の時間が経過した後に、開始されることになる。
`【0077】
` また、判定部13Aは、圧力測定部12により測定された圧力に基づいて、真空乾燥装
`置1Aの異常検出を行い、異常があると判定した場合には、異常を指示する出力を行う。
`具体的には、圧力測定部12により測定された圧力が、予め定められた上限圧力より高い
`か、または予め定められた下限圧力より低い場合に、判定部13Aは、真空乾燥装置1A
`に異常が発生していると判定し、異常発生を報知する信号を出力する。
`【0078】
` 以上の真空乾燥装置1Aによれば、真空乾燥装置1が奏することのできる上述の効果に
`加えて、以下の効果を奏することができる。
`【0079】
` 真空乾燥装置1Aは、計時部16により、電池電極の真空乾燥を開始してからの時間を
`測定し、計時部16により測定された時間が第2の時間を経過するまでの期間では、判定
`部13Aによる判定を休止する。このため、第2の時間を設定することで、電池電極の真
`空乾燥が完了していないことが確実に分かっている期間では、判定部13Aによる判定を
`休止することができる。
`【0080】
` また、真空乾燥装置1Aは、判定部13Aにより、圧力測定部12により測定された圧
`力に基づいて、真空乾燥装置1Aの異常検出を行い、異常であると判定した場合には、異
`常を指示する出力を行う。このため、真空乾燥の完了を判定しつつ、真空乾燥装置1Aの
`異常を検出して出力することができる。
`【0081】
` 以上、この発明の実施形態につき、図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこ
`の実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計なども含ま
`れる。
`【0082】
` 例えば、上述の各実施形態では、真空乾燥の完了を判定する対象を電池電極としたが、
`これに限らない。
`【0083】
` また、上述の各実施形態では、判定部13、13Aは、圧力測定部12により測定され
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`た圧力が目標圧力以下になったか否かを判定するものとした。しかし、これに限らず、判
`定部13、13Aは、圧力測定部12により測定された圧力が目標圧力未満になったか否
`かを判定するものとしてもよい。
`【符号の説明】
`【0084】
` AA、BB;真空乾燥システム
` 1、1A;真空乾燥装置
` 2;ドライルーム
` 11;乾燥炉
` 12;圧力測定部
` 13、13A;判定部
` 14;真空乾燥制御部
` 15;判断部
` 16;計時部
`
`10
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`【図1】
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`【図2】
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`【図3】
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